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夢見るキスの続き (ベルベット文庫)
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レビュー
この本のレビュー
亡き父が有名な作家だったヒロインは、父親のパトロンだった伯爵から城を相続します。財産を失い無一文だった彼女はその話に飛びつき、僻地にある城へと向かいますが城は荒れ果て崩れ落ちる一歩手前で、おまけにそこには元々の城主である公爵が人目をしのんでこっそりと住んでいました。 今すぐ出て行けという公爵。でも、城から追い出されたら行く場所がないヒロインは切羽詰って、むしろ出て行くのはお前のほうだ、私が家主だと公爵に詰め寄ります。さて、二人の運命は一体どうなるのか。 と説明するとアレです。城にやってきた押しかけ女房系といえば、基本的には美女と野獣みたいな感じなんですが。実際読んでみると全然違うんですよ。 こんなに面白い小説を読んだのは本当に久しぶりでございます。大笑いしました。 どこが面白いのかと問われても、なかなかお伝えできないのですが。 たぶん、ジャンル的にはヒストリカルのラブコメということになるとおもいます。 ヒロインの背負っているものがちょっともうどう表現したらいいのか。 紹介するほうもよくわからないものでして。 奇妙な脇役たちも魅力的なのですが、かといって群像劇ぽい喜劇なのかと言われるとそうでもないんですよ。 基本は超ロマンスなんです。ヒロインとヒーローが中心のロマンス。かなりホットです。 なのに、なんというか、なんていったらいいのかわからないのですがとにかく面白いんです。 ヒロインも、ヒーローも、運命(?)に翻弄されます。 それこそタコの足に絡まれたように、トラブルやら愛やら官能やら奇妙な集団やらいろんなものが押し寄せてきます。ボロボロな城に。試練です。全てが二人に迫り来る試練です。もう十分です。おなかいっぱいです。 読んでいるほうも、なにがなんだかよくわかりません。 基本路線はロマンスのはずなのに、もう、なんだよこの小説!!! けしからん!!!けしからんです!! こんな作品、レビューしようがないじゃないですか!!!(喜) この二人は一体どんな困難に巻き込まれるのか。ハラハラドキドキを通り越して読みながら困惑する始末。 ヒストリカルなのに。ああ、ヒストリカルなのに。なんだこの作品は。 ページをめくるたびにゲラゲラ笑いが止まらない。 なので、二人のしっとりしっぽり大人のロマンスを読みたい方にはオススメしません。 そういう方は、超正統派のメアリ・バログとかリサ・クレイパスを読めばよいです。 つまり、静かなしっとりロマンスを求める淑女が読むと、心の底からドッと疲れると思います。 でもでも、基本は超ロマンスなんです。ヒロインとヒーローが中心のロマンス。かなりホットです。 (大事なことなので二度いいます) なので、ちょっと変わってるかもしれないけど、面白いラブコメを読んでみたい。 そういう方には超オススメします。 ほんと。超ロマンスなはずなのに。一体どうしてこうなったんだwwww テッサ・デア氏の頭の中を覗いてみたい。そんな気持ちで一杯になる小説でした。 ご興味がある方は、お試し読みを是非ご一読ください。レビューの詳細はこちら
あらすじ
有名作家の父を亡くし無一文になったイジー。そんな彼女に突如、城が遺贈されたとの知らせが…!?その城を訪ねると、目が不自由な公爵が世捨て人のように暮らしており、城を譲った覚えはないという。城はいったいどちらのものなのか?行くところのないイジーは心を閉ざした彼と、城の権利を争いながら、奇妙な共同生活をおくることに…イジーの父の代表作をこよなく愛する人々の活躍も見どころの、RITA賞受賞作!
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